■
さて、最近ニトロ厨ぶりが加速してまいりました伊南屋ですが、今回はこちら。
「竜†恋ドラマCDぎんいろアクマときんいろオバケ」
竜†恋はゲーム以来好きな作品ランク三位には入るんですが、それのドラマCDがこれ。
と言ってもゲームのドラマCD化とかではなく、新主人公、新ヒロインによる完全新作。
つまり竜†恋シリーズの最新作になります。
このシリーズにおいて、登場人物は全て名前を与えられておらず、ただ役割だけが与えられています。
今回の場合は悪の大首領と正義のヒロインがそう。
この「名前がない」という仕掛けはかなり大事。
基本的に短編であるため、登場人物達に壮大なバックボーンは要らない。突き詰めれば名前も。
つまるところ物語る事に重きを置いた作品だと思います。
シナリオ重視を突き抜けて、シナリオだけ。
実際作品全体としては音楽に力が入ってたり、キャラデザインだって素晴らしい。
でも、言葉だけでも十二分に凄まじい。
物語としての完成度は他に類を見ない。
そう――物語。
物語は竜†恋において重要なキーワードになっています。
竜†恋の主人公達は、物語を完成させる為に恋をする。恋をして、物語と戦う。
一連の竜†恋シリーズに触れてきて、ここまで物語というものに真っ向から挑んだ作品はないんじゃないかと思います。
物語の王道をどこまでも歩いて、だけど新しい何かを作る。
そんな、創作する上でのテーマがもしかしたらあったのかもしれません。
ベタでベタでどこまでもオチが見えていて、なのに巧妙に張り巡らされた伏線に驚き、キャラに感情移入し、予想通りのオチがどこまでも痛快で――。
そして終わった時に新鮮な感動がある。
竜†恋はそんな作品でした。
少なくとも自分にとっては。
デモンベインでブレイクした鋼屋ジン氏の才能が未だに高みに向かっているのを実感しました。
現在、新作長編のドグラQを製作中との事で、そちらも期待大。
ああ、こんなに待ち遠しいエロゲは初めてだ。